遠くに行きたい。
現実逃避と表裏一体であり、同時に前向きなスタートでもある不思議な願望である。
高校生の頃バイトして買った、高校生としてはかなり気合の入ったマウンテンバイクを手に入れてから、自分の自転車生活は始まった。
クロモリでリジットタイプのバイクでマウンテンキャットという名前がついていた。
フレームは太くアメリカンな感じで丈夫だった。当然タイヤもオフロード用。段差の多い都内は案外快適だった。すこしBMXっぽく乗っていた記憶もある。
さらに若気の至りというべきか、このバイクでなんと片道50キロを超えるライドを敢行したことがあった。三浦半島までいって、テントを張って、また戻る。今では考えられないタフさ。というか無知というべきか。
それからバイクにハマっていた時期もあったが、現在はまたロードとクロスでシティライドを楽しんでいる。
週末など皇居を数周する。歴史的な場所を間近に見て周回するのは爽快で、あらゆる事を一回忘れて集中できるのだ。
最近では都市部でUBER EATSなる食事の配達サービスが流行っているが、これもちょっとした小遣い稼いにいい。
トレーニング目的でクロスバイクで2時間くらい配達を兼ねたライドをするといくらかもらえるというありがたいサービス。維持費用の小さめな自転車という乗り物を最大限活用できる機会である。
自転車は人の可能性を拡張し、スポーツにもなるという素晴らしいツールであり、相棒でもある。
だから自分は今も、煮詰まったりしたら、アイディアを求めるつもりで一漕ぎしたりするのだ。そして幾ばくかの報酬も。
これも東京の今であろう。